複雑形状品のめっきはなぜ難しい?膜厚ばらつきの原因と確認ポイント | 自動車用燃料パイプ内面の亜鉛めっき加工は愛知のダイワエクセル

コラム

複雑形状品のめっきはなぜ難しい?膜厚ばらつきの原因と確認ポイント

金属部品の防錆処理として、亜鉛めっきや亜鉛ニッケル合金めっきは幅広く検討される表面処理です。
一方で、製品の形状によっては、外観上はきれいに処理されていても、凹部や奥まった部分、内面などで膜厚にばらつきが生じる場合があります。

特に、パイプ、袋構造品、凹凸の多い製品、細径・長尺の部品などは、一般的な板状・単純形状の部品とは異なる確認が必要です。
「めっきできるか」だけでなく、「必要な部位に必要な膜厚を確保できるか」「量産時にも安定して品質を確認できるか」まで含めて考えることが大切です。

この記事では、複雑形状品のめっきで膜厚ばらつきが起こりやすい理由、確認したい箇所、相談時に整理しておきたい情報について解説します。


複雑形状品のめっきで膜厚ばらつきが起こる理由

電気めっきでは、製品に電気を流し、表面に金属皮膜を形成します。
そのため、製品形状によって電流の分布が異なり、膜厚の付き方にも差が出る場合があります。

一般的に、凸部や角部などでは膜厚が厚くなりやすく、要求膜厚の上限や寸法精度への影響が問題となる場合があります。
一方、凹部や奥まった部分、内面などでは、形状や寸法によって膜厚確保が難しくなることがあります。

また、製品形状や処理条件によっては、めっき液の流れや気泡の滞留なども皮膜形成に影響する場合があります。

このように、複雑形状品では部位によってめっきの付き方が異なるため、図面上の要求膜厚や品質要求をもとに、確認が必要な箇所を整理することが大切です。

ただし、形状が複雑だからといって、すぐに加工が難しいと判断するものではありません。
製品形状に応じた治具設計や処理条件の最適化など、総合的な処理設計によって品質確認を進めていくことが大切です。

パイプ・袋構造品・凹凸の多い製品で確認したい箇所

複雑形状品の中でも、特に注意したいのが、パイプ、袋構造品、細径・長尺部品、曲がりのある部品、凹凸の多い製品です。

 

こうした製品では、形状によって膜厚の付き方が異なるため、凹部や穴の内側、曲がり部、奥まった部分など、要求膜厚を確保するうえで確認が必要な箇所があります。

 

例えば、外側に出ている部分では膜厚が付きやすい一方、凹部や奥まった部分では、形状や寸法によって膜厚確保が難しくなる場合があります。
そのため、外観だけで判断するのではなく、図面上のめっき範囲や要求膜厚、品質要求をもとに、確認が必要な部位を整理しておくことが大切です。

 

ダイワエクセルでは、自動車関連部品の量産加工で培った経験をもとに、製品形状に応じた専用治具の検討・開発に取り組んでいます。
特に、凹部や奥まった部分など膜厚確保が難しい形状については、製品の保持方法だけでなく、電流分布にも着目した加工方法を検討しています。

 

こうした取り組みを通じて、パイプ内面や複雑形状品への亜鉛めっき・亜鉛ニッケル合金めっきに対応してきました。
なお、加工可否は製品形状やめっき仕様、要求膜厚などによって異なるため、図面・品質要求などをもとに個別に確認しています。

 

パイプ内面の腐食リスクやめっき加工については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

パイプ内面めっきとは?外面だけでは防げない腐食リスク

 

膜厚ばらつきを確認するために必要な情報

複雑形状品のめっき相談では、製品図面や仕様情報をできるだけ具体的に共有することが大切です。
形状が複雑な製品ほど、どの部位にどの程度の膜厚が必要なのか、どの範囲をめっき対象とするのかによって、確認すべき内容が変わります。

 

相談時には、製品図面、材質、製品形状・寸法、めっき種・めっき仕様、要求膜厚、めっき範囲、品質要求、後加工の有無、ロット・数量などが分かると、加工可否や確認事項を整理しやすくなります。

 

特に、曲げ、かしめ、切断、溶接、組付けなどの後加工がある場合は、加工の順序や加工部の確認も必要になります。めっき後に加工を行うのか、加工後にめっきを行うのかによって、確認すべきポイントが変わるためです。

 

すべての情報がそろっていない段階でも、図面や分かる範囲の仕様を共有いただくことで、確認すべき事項を整理できます。
複雑形状品では、早い段階で相談することで、試作や量産時の品質確認につなげやすくなります。

複雑形状品では試作・品質確認・量産管理まで見ておく

複雑形状品のめっきでは、一度加工できるかどうかだけでなく、量産時に安定した品質を確保できるかも確認したいポイントです。

 

製品図面やめっき仕様、要求膜厚などを確認したうえで、必要に応じて専用治具や加工方法を検討し、試作によって加工状態を確認します。
試作段階では、膜厚、外観、めっき範囲、内面や凹部の状態などを確認します。
要求される品質に対して、どの部位を重点的に確認すべきかを整理しておくことで、量産時の管理にもつなげやすくなります。

 

また、量産では、膜厚や外観の確認に加え、工程管理や品質管理も大切です。
めっき加工品の品質を安定させるには、製品ごとの形状や仕様だけでなく、継続的に品質を確認する体制も必要になります。

 

ダイワエクセルでは、亜鉛めっき・亜鉛ニッケル合金めっきに対応し、自動車関連部品を中心に、膜厚管理や外観確認、品質管理に取り組んできました。
複雑形状品についても、図面、めっき仕様、品質要求をもとに、当社設備・工程での加工対応を個別に確認しています。

まとめ

複雑形状品のめっきでは、製品形状によって膜厚ばらつきが生じる場合があります。
凸部や外側に出ている部分では膜厚が付きやすく、凹部、奥まった部分、内面、曲がり部などでは、形状や寸法によって膜厚確保が難しくなることがあります。

 

そのため、パイプ、袋構造品、細径・長尺部品、凹凸の多い製品では、外観だけで判断せず、図面、めっき仕様、要求膜厚、めっき範囲、品質要求をもとに確認することが大切です。

 

また、複雑形状品では、試作段階での確認や、量産時の膜厚管理・品質管理まで含めて検討する必要があります。
後加工がある場合は、加工順序や加工部への影響も事前に整理しておくと、確認事項が明確になります。

 

ダイワエクセルでは、自動車向け燃料配管部品で培った技術力や品質管理ノウハウをもとに、亜鉛めっき・亜鉛ニッケル合金めっき、パイプ内面や複雑形状品への表面処理に取り組んでいます。
複雑形状品の亜鉛めっき・亜鉛ニッケル合金めっきについて確認したい場合は、製品図面、めっき仕様、要求膜厚、品質要求をもとにご相談ください。