電気亜鉛めっきとは?防錆の仕組みと内面処理が必要な理由を解説 | 自動車用燃料パイプ内面の亜鉛めっき加工は愛知のダイワエクセル

コラム

電気亜鉛めっきとは?防錆の仕組みと内面処理が必要な理由を解説

自動車部品や建築金物、産業機械など、金属を使った製品では「錆をどう防ぐか」が製品寿命を大きく左右します。

その代表格が「電気亜鉛めっき」です。
防錆性・コスト・量産性のバランスに優れ、自動車や機械部品、建築金物など幅広い分野で使われています。 

ただし、防錆処理を考えるときに見落とされやすいのが、製品の内側です。
パイプ製品や袋構造品では、形状や寸法によって内面の膜厚確保が難しくなる場合があります。
適切な治具設計や処理条件の検討を行わないと、内面で膜厚不足が生じることがあります。

外観検査では問題がないように見えても、内部から腐食が進めば、漏れや性能低下、品質トラブルにつながる可能性があります。
この記事では、電気亜鉛めっきの仕組みと、パイプ・袋構造品で内面処理まで考えるべき理由を解説します。

 

電気亜鉛めっきとはどのような表面処理なのか

電気亜鉛めっきとは、電気の力を利用して、金属の表面に亜鉛の皮膜を形成する表面処理です。
主に鉄鋼製品の防錆を目的としておこなわれます。

鉄は水分や酸素の影響を受けると腐食しやすい素材です。
その表面を亜鉛で覆うことで、鉄そのものが腐食しにくい状態をつくります。

電気亜鉛めっきは、比較的薄膜で処理しやすく、寸法への影響を抑えやすい点も特徴です。そのため、組み付け精度が求められる製品にも採用されます。 

一方で、すべての製品に同じように処理できるわけではありません。
複雑形状品、細径パイプ、袋構造品では、電気の流れ方やめっき液の入り方によって膜厚に差が出ることがあります。
そのため、製品の形状、使用環境、必要な防錆性能を踏まえて処理方法を検討することが大切です。

なぜ電気亜鉛めっきで錆を防げるのか

電気亜鉛めっきが防錆処理として使われる理由は、亜鉛が鉄よりも先に腐食する性質を持っているためです。
この働きは「犠牲防食」と呼ばれます。

めっき面に小さな傷が付いた場合でも、周囲の亜鉛が先に腐食し、鉄の腐食を抑える方向に働きます。 

ただし、電気亜鉛めっきは「絶対に錆びない処理」ではありません。
結露や水分・薬液が残りやすい環境や形状では腐食が早まることもあるため、使用環境まで見据えた判断が必要です。

 

外面だけでなく内面処理まで考えるべき理由

防錆処理を検討するとき、多くの場合は外側の見た目や表面状態に目が向きます。
しかし、パイプ製品や袋構造品では、外面だけを見て判断すると、思わぬトラブルにつながることがあります。

外側はきれいにめっきされていても、内面にはめっきが十分に回り込んでいない場合があります。
その場合、内部は鉄素地が露出した状態となり、水分や結露、洗浄液、薬液などの影響を受けて腐食が進むことがあります。

特に、内部に液体や気体が通る部品、洗浄液が残りやすい構造、袋状で水分が抜けにくい部品では注意が必要です。
外観上は問題がなくても、内側で錆が進行すれば、漏れや性能低下につながる可能性があります。

材質をステンレスへ変更すれば対応できる場合もありますが、コストや加工性に影響することがあります。
その前に、鉄材のまま内面までめっき処理できないかを検討することも、有効な選択肢になります。

 

内面めっきはなぜ難しいのか

内面めっきが難しい理由は、単に「奥まで見えないから」ではありません。

電気めっきでは、電流の流れ方やめっき液の動きが仕上がりに影響します。
外面に比べ、パイプ内部や袋構造の奥まった部分では電流が届きにくくなります。 

電流密度が下がると、めっきのつきまわりが悪くなり、膜厚不足や処理ムラにつながりやすくなります。
さらに、内面ではめっき液が流動しにくく、薬液が十分に入れ替わらないこともあります。

そのため、内面めっきでは、製品形状に応じた治具設計や処理条件の最適化が必要になります。

内面まで安定した品質を確保できるかどうかは、設備だけで決まるものではありません。
製品の形状、寸法、要求される品質に合わせて、電流条件や処理条件を調整しながら、内面品質を確保していくことが大切です。

ダイワエクセルでは、極めて厳格な内面品質・膜厚管理が求められる「自動車向け燃料配管部品」を中心に、細径パイプ、長尺パイプ、複雑形状品などの高度な内面めっきに対応してきました。 

特に燃料配管部品では、内面品質が耐久性や信頼性に直結するため、高い品質管理が求められます。
当社では長年培ったノウハウを活かし、安定した内面品質の確保に取り組んでいます。

電気亜鉛めっき・内面処理で迷ったら何を相談すればよいか

電気亜鉛めっきや内面処理を検討する際、自社だけで最適な処理を判断するのは簡単ではありません。
製品の材質、形状、使用環境、求める耐食性、量産時の条件によって、適した処理は変わります。

相談時には、図面、製品形状、使用環境、必要な防錆性能、ロットや数量、内面処理の必要性が分かると、検討が進めやすくなります。
特に、水分や洗浄液が内部に残る可能性があるか、内面腐食が漏れや性能低下に直結するか、治具跡を避けたい箇所があるかは、早めに共有しておくと判断しやすくなります。

最初からすべてを明確にする必要はありません。
試作段階で相談することで、量産前に課題を確認しやすくなります。 

 

まとめ

電気亜鉛めっきは、鉄鋼製品の防錆処理として広く採用されている表面処理です。
犠牲防食の働きにより鉄の腐食を抑えやすく、防錆性とコストのバランスにも優れています。 

一方で、見えない内面の膜厚不足は重大な品質トラブルに直結します。 

ダイワエクセルでは、自動車向け燃料配管部品を中心に、電気亜鉛めっきや内面めっきに取り組んできました。
パイプ部品や袋構造品では、外観だけでは判断できない腐食リスクが存在します。

ダイワエクセルでは、自動車向け燃料配管部品で培った内面めっき技術と品質管理ノウハウを活かし、お客様の用途に応じた最適な表面処理をご提案しています。

パイプ部品や袋構造品の防錆でお困りの際は、お気軽にご相談ください