亜鉛めっきと亜鉛ニッケル合金めっきの違いとは? | 自動車用燃料パイプ内面の亜鉛めっき加工は愛知のダイワエクセル

コラム

亜鉛めっきと亜鉛ニッケル合金めっきの違いとは?

金属部品の防錆処理を検討する際、よく比較されるのが「亜鉛めっき」と「亜鉛ニッケル合金めっき」です。

どちらも鉄鋼製品の腐食を抑える表面処理ですが、向いている使用環境や注意点は異なります。
一般的な防錆用途では亜鉛めっき、より高い耐食性や耐熱性が求められる場合は亜鉛ニッケル合金めっきが候補になります。 

ただし、単純に「高性能だから亜鉛ニッケル合金めっきがよい」と判断できるものでもありません。
製品の形状、使用環境、後加工の有無、内面処理の必要性によって、適しためっき処理は変わります。

この記事では、両者の違いと選び方を解説します。



亜鉛めっきと亜鉛ニッケル合金めっきは何が違うのか

亜鉛めっきは、鉄の表面に亜鉛の皮膜を形成し、鉄を腐食しにくくする表面処理です。
亜鉛が鉄より先に腐食することで鉄を守る「犠牲防食」の働きがあり、自動車部品、機械部品、建築金物など幅広い分野で使われています。

一方、亜鉛ニッケル合金めっきは、亜鉛にニッケルを共析させためっきです。
亜鉛の犠牲防食作用を利用しながら、ニッケルを含む合金皮膜によって腐食の進行を抑え、より高い耐食性や耐熱性が求められる環境で検討される処理です。 

亜鉛ニッケル合金めっきはニッケル含有率により分類され、ダイワエクセルでは耐食性に優れるニッケル共析率12〜18%タイプを扱っています。 

亜鉛めっきは防錆性とコストのバランスを重視する処理、亜鉛ニッケル合金めっきはより厳しい環境で耐食性・耐熱性を求める場合の選択肢と考えると分かりやすいです。

 

耐食性・耐熱性を重視するならどちらを選ぶべきか

通常の使用環境で、コストを抑えながら防錆性を持たせたい場合は、亜鉛めっきが有力な選択肢になります。
比較的扱いやすく、量産にも向いているため、幅広い製品で採用されています。

一方で、熱がかかる環境や、塩分・水分の影響を受けやすい環境では、亜鉛めっきだけでは要求性能を満たせるか慎重に見る必要があります。
たとえば、長期間の屋外使用、冬季の融雪剤が散布される塩害地域を走る自動車足回り部品、高温になるエンジンルーム周辺など、熱による耐食性能の低下も考慮する必要がある環境では、亜鉛ニッケル合金めっきが有力な選択肢となります。 

関連資料「意外と知られていない【電気亜鉛ニッケル合金めっき×内面表面処理】」では、200℃加熱後や塩水噴霧試験における亜鉛ニッケル合金めっきの耐食性が紹介されています。
なお、掲載結果はテストピースでの検証であり、実際の製品では形状や膜厚、使用環境によって結果が変わる可能性があります。

関連資料:意外と知られていない【電気亜鉛ニッケル合金めっき×内面表面処理】

https://www.daiwa-excel.co.jp/document/02znni/ 

 

 

亜鉛ニッケル合金めっきにも注意点はあるのか

亜鉛ニッケル合金めっきは高い耐食性が期待できる一方で、すべての製品に向いているわけではありません。

まず、亜鉛ニッケル合金めっきは、普通亜鉛めっきに比べて皮膜が硬く脆い性質があるため、めっき後の厳しい曲げ加工やカシメによって微細なクラック(ひび割れ)が生じるリスクがあります。
加工度合いに応じた適切なめっき種の選定が必要です。 

また、電気めっきである以上、製品形状によって膜厚にばらつきが出ることがあります。
電気が流れやすい部分では膜厚が厚くなりやすく、凹部や奥まった部分、内面では膜厚が不足しやすくなります。

亜鉛ニッケル合金めっきは、亜鉛とニッケルの共析比率を管理する必要があるため、安定した品質を確保するには、浴分析や工程管理を含めた品質管理が重要になります。

 

パイプ・複雑形状品では内面処理まで含めて考える

亜鉛めっきと亜鉛ニッケル合金めっきの違いを考える際、めっき種だけで判断すると、見落としが出ることがあります。
特にパイプ製品や袋構造品、複雑形状品では、外面だけでなく内面までめっきが回るかどうかが品質に関わります。

外面はきれいに処理されていても、内面や奥まった部分では電流が届きにくく、膜厚不足や処理ムラが起こる場合があります。
さらに、めっき液が流動しにくい形状では、薬液の入れ替わりや処理条件の管理も難しくなります。

そのため、内面処理を含む製品では、めっき種の選定に加えて、治具設計や処理条件の最適化など、製品形状に応じた処理設計を総合的に検討する必要があります。 

ダイワエクセルでは、亜鉛めっき・亜鉛ニッケル合金めっきともに内製対応しており、複雑形状・内面めっきにも対応しています。
パイプや袋構造品なども、用途や品質要件をもとに処理方法を検討しています
 

 

亜鉛めっきか亜鉛ニッケル合金めっきで迷ったら何を相談すればよいか

相談時には、図面、材質、製品形状、使用環境、必要な耐食性・耐熱性、ロットや数量、曲げ・かしめなど二次加工の有無、内面処理の必要性が分かると、検討が進めやすくなります。

ダイワエクセルでは、見積もり後に詳細条件のすり合わせを行い、必要に応じて試作品の提出・評価、生産準備を経て量産へ進めていきます。

 

まとめ

亜鉛めっきは、防錆性とコストのバランスに優れた表面処理です。
一般的な鉄鋼製品の防錆や、量産性を重視する部品では有力な選択肢になります。

一方、亜鉛ニッケル合金めっきは、より高い耐食性や耐熱性が求められる環境で検討される処理です。
エンジンルーム周辺、塩分や水分の影響を受けやすい環境、耐食性の要求が高い部品では、亜鉛めっきだけで十分か慎重に判断する必要があります。

ただし、めっき種だけで最適な処理が決まるわけではありません。
製品形状、使用環境、後加工の有無、内面処理の必要性によって、適した表面処理は変わります。

ダイワエクセルでは、亜鉛めっき・亜鉛ニッケル合金めっきに対応し、複雑形状品や内面めっきについても用途や品質要件をもとに検討しています。
特に自動車向け燃料配管部品で培った内面品質管理や量産技術を活かし、製品形状・使用環境・後加工まで含めた最適な表面処理をご提案しています。 

亜鉛めっきで十分か、亜鉛ニッケル合金めっきまで検討すべきか迷われている場合は、図面や使用環境をもとにご相談ください。

関連資料:

意外と知られていない【電気亜鉛ニッケル合金めっき×内面表面処理】
https://www.daiwa-excel.co.jp/document/02znni/