白錆は悪い錆なのか? ~赤錆との違いと防錆の仕組みを解説~ | 自動車用燃料パイプ内面の亜鉛めっき加工は愛知のダイワエクセル

コラム

白錆は悪い錆なのか? ~赤錆との違いと防錆の仕組みを解説~

「白錆が出た=不良」と思われることがあります。
しかし、白錆と赤錆では、腐食している金属も、製品への影響も異なります。

亜鉛めっきは、亜鉛が鉄より先に腐食する「犠牲防食」によって鉄素地を守る表面処理です。
一般的な自動車部品では、その亜鉛皮膜の表面にクロメート処理を施し、亜鉛自体の腐食、つまり白錆の発生を遅らせています。

したがって、白錆は無条件に好ましいものではありませんが、直ちに鉄素地の腐食を意味するものでもありません。
一方、赤錆は鉄素地に腐食が及んでいる可能性を示すため、発生箇所や原因を慎重に確認する必要があります。

この記事では、白錆と赤錆の違い、クロメート処理を含む防錆の仕組み、赤錆が発生する主な原因、保管・使用環境で注意したい点を解説します。



亜鉛めっきで発生する白錆と赤錆の違い

白錆は、亜鉛めっきの表面にある亜鉛が腐食してできる白色の腐食生成物です。
水分や湿気、結露、塩分などの影響を受けると、亜鉛表面に白っぽい粉状の錆が見られることがあります。

一方、赤錆は鉄素地が腐食して発生する錆です。
亜鉛めっきの本来の役割は、亜鉛が鉄よりも先に腐食することで、鉄そのものを守ることにあります。
そのため、白錆は亜鉛が反応している状態、赤錆は鉄素地に腐食が及んでいる可能性を示すものと考えると分かりやすいです。

一般的な自動車部品の亜鉛めっきでは、亜鉛皮膜の上にクロメート皮膜を形成し、亜鉛と水分・酸素・塩分との反応を抑えることで、白錆の発生を遅らせます。
塩水噴霧試験などで「白錆発生までの時間」が評価されるのは、この表面保護の状態を確認する意味合いがあります。

白錆は亜鉛が腐食して生じるため、外観不良や防錆性能低下の兆候として扱われることがあります。
ただし、白錆が見られたことだけで、直ちに鉄素地まで腐食しているとは限りません。発生範囲、要求規格、保管・使用環境を含めて判断することが大切です。



亜鉛めっきで赤錆が出る主な原因

亜鉛めっきで赤錆が出る原因は、ひとつに限られません。
めっき皮膜の傷、ピンホール、膜厚不足、皮膜の消耗、使用環境などが重なって発生することがあります。

亜鉛めっきでは、めっき面に小さな傷やピンホールがあっても、周囲の亜鉛が先に腐食して鉄を守る方向に働きます。
しかし、腐食が進んで亜鉛皮膜が消耗したり、ピンホールが広がったりすると、鉄素地が露出し、そこから赤錆が発生しやすくなります。

また、最初から膜厚が不足している箇所や、処理ムラがある箇所も注意が必要です。
特に凹部、奥まった部分、内面などは、電気めっきの特性上、電流が届きにくく、膜厚が不足しやすい場所です。

使用環境も影響します。水分、結露、洗浄液、薬液、塩分が残りやすい環境では、腐食が進みやすくなります。
外観上は問題がないように見えても、内面や隙間で腐食が進行している場合もあります。

なお、傷、切断面、加工部、膜厚不足箇所などでは、白錆の段階を経ずに赤錆が発生する場合もあります。
錆の発生状況を見る際は、どの箇所に、どのような状態で発生しているかを確認することが大切です。

 

白錆はなぜ発生するのか。保管環境にも注意が必要

白錆は、亜鉛が水分や湿気の影響を受けて腐食したときに発生します。
保管中の結露、乾きにくい梱包、湿度の高い倉庫、洗浄液や薬液の残留、塩分の付着などが原因になることがあります。

めっき後すぐに密閉したり、濡れた状態で重ねて保管したりすると、表面に水分が残り、白錆が出やすくなります。
また、輸送中の温度差による結露や、屋外・沿岸部に近い環境での保管も注意が必要です。

白錆は、亜鉛が鉄を守る過程で発生する場合もありますが、見た目の問題だけでなく、めっき皮膜の消耗にもつながります。
必要な防錆性能や外観品質によっては、保管方法や梱包状態、使用環境まで含めて確認しておくことが大切です。

白錆が発生した場合も、直ちに「めっき不良」と決めつけるのではなく、発生した時期・範囲、保管中の湿度や結露、梱包状態、輸送環境などを確認する必要があります。
めっき仕様と保管・使用条件の双方から原因を整理することが重要です。

パイプ・複雑形状品では内面や凹部の錆に注意する

亜鉛めっきの錆トラブルは、外面だけを見て判断できないことがあります。
特にパイプ製品や袋構造品では、外側はきれいに処理されていても、内面にめっきが十分に回り込んでいない場合があります。

内面に鉄素地が露出していると、水分や結露、洗浄液、薬液などが残った際に、内側から腐食が進む可能性があります。
外観検査では見つけにくいため、漏れや性能低下が起きてから問題に気づくケースもあります。

複雑形状品でも同じように注意が必要です。
電気めっきでは、外側に突き出した凸部には電流が集まりやすく、膜厚が付きやすい傾向があります。
一方、凹部や奥まった部分には電流が届きにくく、膜厚不足や処理ムラが起こりやすくなります。

そのため、赤錆を防ぐには、めっき種だけでなく、製品形状に応じた治具設計や処理条件の最適化、薬液の流れ方まで含めて総合的に検討することが必要です。

ダイワエクセルでは、亜鉛めっきの内製対応に加え、複雑形状品や内面めっきにも対応しています。
特に、自動車向け燃料配管部品で培った内面品質管理や量産技術を活かし、外観だけでは確認しにくい内面・凹部についても、製品形状や品質要求に応じた処理方法を検討しています。

赤錆・白錆を防ぐために相談時に確認したいこと

赤錆や白錆を防ぐには、めっき処理だけでなく、使用環境や保管条件まで含めて考える必要があります。

相談時には、製品図面、材質、製品形状、使用環境、保管環境、必要な防錆性能、ロットや数量、内面処理の必要性が分かると、検討が進めやすくなります。
水分や薬液が残る可能性、塩分の影響、治具跡を避けたい箇所、膜厚や外観品質の要件も、分かる範囲で共有しておくと安心です。

仕様が固まりきっていない段階でも、図面や用途をもとに相談することで、赤錆や白錆の原因になりそうな箇所を事前に整理しやすくなります。
試作段階で確認しておけば、量産前に処理条件や品質要件を見直すこともできます。

まとめ

亜鉛めっきで発生する白錆と赤錆は、同じ錆でも意味合いが異なります。
白錆は亜鉛が腐食してできる生成物であり、赤錆は鉄素地の腐食が進んでいる可能性を示します。

赤錆の原因は、皮膜の傷やピンホール、膜厚不足、処理ムラ、使用環境、内面処理不足などさまざまです。
特にパイプ製品や複雑形状品では、外面だけでなく内面や凹部まで含めて確認する必要があります。

また、一般的な自動車部品では、亜鉛皮膜の上に形成されるクロメート皮膜が白錆の発生を遅らせます。
白錆の有無だけで良否を判断するのではなく、要求規格、発生範囲、保管・使用環境を含めて評価することが重要です。

ダイワエクセルでは、自動車向け燃料配管部品で培った内面品質管理・量産技術を活かし、用途や使用環境、製品形状に応じた最適な表面処理をご提案しています。
赤錆・白錆の発生リスクが気になる場合は、図面や使用環境をもとにご相談ください。